第267章ダニエルの幸運は近いか

「これは解毒剤の半分よ。婚約が済んだら、残りの半分を渡すわ」

ゾーイはバッグから解毒薬の錠剤を取り出し、メイソンに手渡した。

メイソンの顔色がみるみる曇った。「どういうつもりだ?約束を反故にする気か。それとも、この毒で一生俺を縛るつもりか?最初は婚約に同意させて、次は何だ――スミス家の財産まで欲しいのか。ゾーイ、俺はかつてスミス家の当主だった。こんなもので俺を操れると本気で思っているのか!」

メイソンが本気で怒っていると察し、ゾーイの態度から先ほどの傲慢さが消えた。

何より、彼女は心からダニエルと結婚したかった。メイソンは未来の義祖父になる相手だ――さすがに深く怒らせるわけにはいかない...

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